頸部の腫脹がある場合、耳下腺、顎下腺、甲状腺、リンパ節などの疾患の可能性があります。
急性化膿性耳下腺炎
口腔から逆行性に耳の周囲にある唾液を作る耳下腺に細菌が入り込み炎症を起こすことが多い疾患です。疼痛、腫脹、発熱、皮膚の発赤が見られます。
流行性耳下腺炎
いわゆるおたふく風邪で、ムンプスウイルスが感染して起こります。発熱と耳の下(耳下腺)が腫れます。両側が多いですが、片側のこともあります。接触、飛沫感染に映ることがあります。
多くの場合軽症で経過しますが、合併症として髄膜炎、膵炎、精巣炎、内耳炎による難聴を起こすことがあります。
学校保健安全法で「耳下腺、顎下腺又は舌下腺の腫脹が発現した後5日を経過し、かつ全身状態が良好になるまで出席停止」と決められています。
唾石症
耳下腺や顎下腺といった唾液腺にできる結石で、特に顎下腺に8−9割の唾石が生じます。食事の時に顎の下が腫れる場合は可能性が高いと考えられます。
甲状腺腫瘍
甲状腺に生じる腫瘍には良性のものと悪性のものがあります。良性のものは超音波(エコー)検査と血液検査で経過を見て行くだけで良いものが大半です。
エコー下の細胞診を併用し診断します。
その他甲状腺の病気
急性化膿性甲状腺炎、橋本病(慢性甲状腺炎)など炎症による病気もあります。